クラウドファンディングでは、
「企業スポンサー枠をつくりたい」
という相談があります。
5万円。
10万円。
30万円。
50万円。
といった企業向けリターンを用意する方法です。
実際、CAMPFIREでも企業向けスポンサーリターンを設けたプロジェクトはあります。
ただ僕は、
スポンサー枠をつくれば企業が支援してくれる
とは考えていません。
企業にとって大切なのは、
「いくら支援するか」より、
「なぜ、このプロジェクトを応援する意味があるのか」
です。
企業スポンサーも、通常のリターンと同じ。
まず「誰が参加するのか」から設計します。
企業スポンサーのリターンでよくあるのが、
「ホームページにロゴ掲載」
「会場に企業名掲載」
「SNSで企業名を紹介」
といった内容です。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
でも企業側からすると、
「そこに10万円払う理由は何だろう?」
となることがあります。
大切なのは、
掲載することではなく、その企業にとってどんな意味があるか。
です。
たとえば、
地域の企業なら、
地域貢献につながる。
ターゲットが近ければ、
新しい顧客との接点になる。
イベントなら、
来場者へ知ってもらえる。
社会的な活動なら、
その理念への賛同を示せる。
既存の取引先なら、
関係をさらに深められる。
同じ「ロゴ掲載」でも、
企業によって支援理由は違います。
スポンサー金額を決める前に、
僕なら企業候補を考えます。
地域企業。
既存の取引先。
顧客層が近い会社。
プロジェクトのテーマに関係する会社。
起案者と以前から関係がある会社。
その活動を社会的に応援する意味がある会社。
などです。
ここで大事なのは、
企業スポンサーを不特定多数から探そうとしないこと。
です。
「誰か10万円出してくれないかな」
ではなく、
「この会社なら、なぜ参加する意味があるだろう?」
まで考えます。
企業スポンサーは、金額より先に候補企業と参加理由をつくります。
企業だからといって、必ず広告効果だけを求めているわけではありません。
参加理由には、
認知。
地域貢献。
顧客との接点。
社員参加。
社会貢献。
新しい取引先との関係。
主催者や活動への応援。
など、いろいろあります。
だから僕は、
「広告になりますよ」
と一括りにはしません。
むしろ、
この企業は、なぜこのプロジェクトに参加すると嬉しいのか。
を1社ずつ考える。
ここがスポンサー営業ではかなり大事です。
企業スポンサーでは、
5万円。
10万円。
30万円。
50万円。
など、複数の価格帯を用意することがあります。
ただし、
5万円はロゴ小。
10万円はロゴ中。
30万円はロゴ大。
だけでは、違いがサイズだけになってしまいます。
たとえば、
企業名掲載。
SNS紹介。
イベント招待。
商品やサービスとの連携。
来場者へのPR機会。
スタッフ・社員の参加。
プロジェクト内での企画参加。
など、
金額が上がるほど関わり方そのものが深くなる
設計も考えられます。
スポンサーもリターンです。
つまり、
企業の参加方法を設計すること
だと思っています。
企業スポンサーで特に大切なのが、
公開してから企業を探し始めないこと。
です。
企業の場合、
担当者だけでは決められないことがあります。
上司への確認。
社内稟議。
予算確認。
経営判断。
など、時間が必要になる場合があります。
だから僕なら、
クラファン公開前から候補企業へ、
「こういうプロジェクトを始めます」
「企業としてこんな参加方法があります」
と話していきます。
可能なら、
公開初期から企業スポンサーが入る状態
をつくっておく。
クラファンは公開日から営業を始めるものではありません。
企業スポンサーも同じです。
企業へスポンサーの相談をする時、
口頭だけでは伝わりにくいことがあります。
そこでクラファンページが、
ひとつの説明資料になります。
誰がやるのか。
なぜやるのか。
誰に届けるのか。
何を実現するのか。
どんな人が参加しているのか。
企業はどんな形で関われるのか。
これらがまとまっていれば、
担当者が社内で説明する時にも使いやすくなります。
CAMPFIREの法人向けガイドでも、ターゲット設定、プロジェクトページ作成、広報、支援者との関係づくりなどを法人クラファンの重要な工程として挙げています。
僕はクラファンページを、
個人支援者へ見せるページだけではなく、企業へプロジェクトを説明する資料
として使うこともあります。
僕がスポンサー設計で大切にしているのは、
企業を単なる資金提供者として見ないことです。
企業には、
紹介できる人がいる。
顧客がいる。
場所がある。
商品がある。
スタッフがいる。
発信媒体がある。
場合によっては、支援金以上に大きな力を持っています。
だから、
10万円支援してもらって終わり。
ではなく、
その企業と一緒に何ができるのか
まで考えます。
スポンサー企業が紹介してくれる。
社員が参加してくれる。
イベントへ来てくれる。
商品を広げてくれる。
次の企画にも関わってくれる。
そこまでつながれば、クラファン後にも関係が残ります。
企業スポンサーを入れるなら、僕はまず、
どんな企業に参加してほしいのか。
その企業が応援する理由は何か。
企業にどんな参加方法を用意するのか。
公開前に誰へ声をかけるのか。
クラファン終了後も関係が続く設計になっているか。
を考えます。
いきなり、
「10万円スポンサー枠を10社つくれば100万円」
とは考えません。
計算上は100万円でも、
その10社が誰なのかが見えていなければ、まだ設計できていないからです。
企業スポンサーのリターンは、
高額リターンを置けば完成ではありません。
まず企業を見る。
その会社が、
なぜ応援するのか。
どんな形なら参加しやすいのか。
どんな関係をつくれるのか。
そこから価格や内容を考える。
これは通常のリターン設計と同じです。
僕が大切にしている、
「価格から人を見るのではなく、人から価格をつくる。」
という考え方です。
企業スポンサーも、
「お金を出してもらう仕組み」ではなく、
企業がプロジェクトへ参加する方法をつくること。
そう考えると、スポンサーリターンのつくり方も変わってくると思っています。
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